緩和ケアについて
緩和ケア、医療用麻薬、延命処置をしないことに対する誤解を解く
(患者本人、ご家族に理解していただきたいこと)
1.人は必ず、その時を迎えるし、心の中で否定をしながら、恐怖を持ちながら、仕方なしにその時を迎えている。少なくとも苦しくないように、つらくないようにという思いは患者さんご本人も、それを支えるご家族も思っている。
人間の一生は、この世に生を受けてから、最後のその時が来るまで、それぞれの人生を精一杯歩みながら、様々な形での最後を迎えることとなります。それは、人間であれば避けることができないことです。もちろん1人だけで生きてきたわけでなく、その人の人生には、家族、親戚、友人、仕事仲間など、いろいろな思いを持った人たちが関わっている。その人達は、その患者さんには亡くなってもらいたくないという思い、現実的には避けられないものの、亡くなることを認めたくない、認められない人たちがいることは事実です。しかし、その時の状況を決めるのは、それを取り巻く人たちではなく、ご本人の意思が尊重されなければなりません。ただ、それはご本人の恐怖感が高まっている直前ではなく、心の余裕がある程度あって、将来起こりうるつらい状況に対しても、ある程度、少しでも冷静に考えられるときに、患者さんご本人の自分の意思に従って、その時の医療が、ケアが決められるべきであると思います。
ご家族には自分にもその時が、その状況が来ることを前提に考えてもらいたいと思いますが、患者さんご本人にはつらい情報であっても、その内容を極度に修飾したりして、それがある程度正確に伝わることを妨げないでいただきたいと思ってます。
2.医療では、苦痛緩和であっても、命を縮めることは決して行いません。
医療倫理として、医師は、患者さんに対して苦痛を与えることは当院では許されることではないことは当然であり、ましてや命を縮めるような医療行為は法律的にも許されません。苦痛を和らげるために、命を縮めることが、仕方ないこととして、行われてしまったことは比較的少なくない現実があり、それを行ってしまった人には情状酌量が適応されたとしても、結果的に法律的に罰せられることとなる。
医師が命を縮める行為は絶対にしないということを信じていただきたい。
上記を踏まえて以下の質問に対しての誤解を紐解いていきたい。
緩和ケアについてのQ&A
緩和ケアは、その時を迎える患者さんに対して、何もしない消極的な医療ということですか?
医療用麻薬性鎮痛薬は、命を縮まる可能性がありますか?
延命措置をしないということは、治療を何もしないということですか?
食べたくないときに、家族の方から食べないと命が縮まるとプレッシャーがかかってしまいます。どうすればよいですか?
蒲田クリニック
緩和ケアの特徴
- 緩和ケアに精通した医師による医療体制が整っています。
- 訪問看護ステーションを併設しており、医師と看護師が密に連携を取って対応できる体制が整っています。
- 24時間365日 医師、看護師と連絡が取れ、緊急訪問できる体制が整っています。
- 医師、看護師だけでなく患者さんやご家族を支援できる多職種が揃っています。
医師
チームのまとめ役、つらくないようにするための緩和ケアを提供します。
看護師
医師と協力してつらい症状を緩和するための医療・ケアを提供します。
在宅で日常生活を送るための環境を整えます。
理学療法士・作業療法士
日常生活動作の支援、マッサージによる疼痛緩和、楽な動作やポジショニングの提案をします。
言語聴覚士・栄養士
患者さんの飲み込み機能に合った食事形態を提案します。
最期まで“食べたい”気持ちを大切にします。
心理士
つらい気持ちに寄り添います。
医療事務
医療費の相談をお受けすることができます。
在宅で過ごしたいがん患者さんとご家族を
笑顔、優しさ、思いやりで支えます
ぜひ我々に在宅療養のお手伝いをさせてください
*蒲田クリニックでは、院長の下山直人医師が、緩和ケア関連のメール相談をお受けしております。
*緩和ケア外来、相談外来の開設(2023年9月より開始)*
- 相談内容:
- ①不安の軽減:緩和ケアに関するご本人およびご家族の不安にお答えする
- ②身体的苦痛の軽減(痛み、呼吸苦、その他の苦痛)、時に主治医の了承の元
麻薬性鎮痛薬の処方もいたします - ③がんの説明いわゆる告知のお手伝い(主治医との相談により)
- ④その他の施設との連携(緩和ケア病棟の紹介、一般病棟への紹介、医療連携)
- 時・場所:
毎週金曜日の夕方頃(16時から30分ずつ、1日2人まで)
(完全予約制で、事前に予約を入れてください) - Web診療も検討中です
がんの痛みの治療、そのほかの苦痛の緩和に対して、お話を聞いたうえで、薬物療法を行っていきます。
・また、順天堂大学病院ペインクリニック科、癌研有明病院緩和医療科との連携において、高度な技術を要する神経ブロック療法に関するご相談、ご紹介も受け付けています。
・そして、身体的な苦痛だけでなく、種々の不安などの精神的な苦痛に対しても、可能な限り対応していくことを目標としています。時に医療連携を介してしかるべき病院外来への紹介もいたします。
どうぞご利用ください。